MM沼

MM(男男)ロマンスにはまり、読んだMMの記録と萌えを語りたくてブログを開設してしまいました。人生、どこに沼があるかわからない。

Full Circle by Kaje harper

2017年の初読書…年越し読書の余韻が冷めず…再読なんですが(^^)


YAものの”I'll Give You the Sun" がとても良くて、やはり大人の話が読みたくなって、深夜になってその前の日に読んだばかりのFull Circleをちょっとだけ…の筈が読み返してしまいました。



55ページのノヴェラですが、ノヴェラの名手Kaje Harperさんだけにずっしりと読み応えがあります。むしろ、余白の美というか、淡々としている分だけ心に残るような…。


主人公は50代半ばの元医師Jamie Seavers。断酒しているのにゲイバーを訪れざるを得ない境遇です。ある晩、行きつけのCharlie'sに若者がやってきて自分の「僕の父の名はToller Grangeです。」と告げる。若者は、大学進学にあたって社会福祉を専攻してソーシャルワーカーになりたいと告げたら父のTollerが絶対ダメだと言って聞かない、理由はJamieに聞けと言ってひかない、だから来たのだと。やむなく若者を家に泊めることになったJamieは、23年前に別れて以来初めてTollerに電話をかけることになる…。


物語の中心はJamieの回想です。23年前のシカゴ。真冬ので18歳になったばかりのTollerと出会う。アル中で路上生活すれすれのJamieは、スープキッチンで、酒店の前で彼とすれ違う。そして、ある日、肺炎で死にかけているTollerを見かねてアパートに連れて帰った。


ここから始まる二人の関係が本当に丁寧に描かれています。なぜTollerは路上で生活しているのか。Jamieが浴びるように酒を飲む理由は。そして、なぜ二人は別れることになったのか。淡々と、でも丁寧に、二人の関係の深まりと変化が描かれていきます。JamieがTollerを「解き放つ」理由、Tollerがその後どんな人生を選んだか。ラストで題名のFull Circleの意味がわかる瞬間、ほぅっとため息をついてしまいました。


I'll give you the sun

2016年12月31日~2017年1月1日の年越し読書
Jandy Nelson さんの”I'll Give You the Sun"


集英社文庫で翻訳『君に太陽を』が発行されています。

君に太陽を (集英社文庫 ネ 2-1)
君に太陽を (集英社文庫 ネ 2-1)
集英社
2016-11-18


双子の姉Judeと弟Noahが、「二人で一つ」の状態から、十代ならではの葛藤を経て、恋を知り、大事な人を失い、自分の在り方を模索していく物語です。Jude の彼氏とNoahの彼氏がそれぞれ個性的で面白い。


双子の父母やJudeの師となる彫刻家など大人のキャラクターが丁寧に描かれているところがすごくよかったです。

長らくご無沙汰してすみません!

MM沼にどっぷりと嵌りすぎてレビューを全然更新していませんでした。
こころを入れ替えてやり直します…


とりあえずただいまの萌え物件はこちら

Dirty Dining (English Edition)
Dirty Dining (English Edition)
Dreamspinner Press
2015-01-19
Kindle本

サンフランシスコにあるDining Club。そこはお金に糸目をつけないゲイの男性のみの秘密の社交場。名前ではなく色名で呼ばれる紳士たちひとりひとりに選りすぐりのボーイたちが趣向をこらしたサービスを提供する。研究に行き詰った大学院生Jeremyは車の修理代欲しさに一回だけバイトを引きうける。Jeremyが相手をすることになったのは、初めての客、Mr.グリーン。初めて同士の2人はいつか本気になり…。


プリティ・ウーマンのゲイ版、と言えばそれまでですがw Jeremyの研究室やMr.グリーンの本業・ベンチャーキャピタルの説明とかがちゃんとしていて、小説としても結構楽しいです。それにしても、とても楽しそうです。