Bear, Otter and the Kid by TJ Klune
TJ Kluneの代表作というとBear, Otter and the Kidシリーズ。
第1作目、Bear, Otter and the Kid (通称BOTK)
- Bear, Otter, and the Kid (Bear, Otter, and the Kid Chronicles Book 1) (English Edition)
- 著者:TJ Klune
- 出版社:Dreamspinner Press
- 発売日:2011-08-12
- カテゴリー:Kindle本
第2作目 Who We Are 表紙イラストは無視してください
- Who We Are
- 著者:T. J. Klune
- 出版社:Dreamspinner Press
- カテゴリー:本
第3作目 The Art of Breathing
- The Art of Breathing
- 著者:T. J. Klune
- 出版社:Dreamspinner Press
- カテゴリー:本
第2作目の表紙はどうしちゃったんだろう
T.J.Kluneはわたしが一番好きな作家かもしれません。この人の本は好き嫌いが別れると思います。Drama QueenなBottomの一人称POVが鬼門ならばまったくお勧めしません。わたしはその手のキャラが割と苦手なのですが、それでもT.J.Kluneの作品にはまったのは、なんというのか、ものすごい勢いのある文章を書く人だからかも。そして一度はまると映画を観ているみたいにどんどん物語が転がり出していつの間にか手に汗握っている。粗削りだけど、独特の作風・筆致の作家さんです。
BOTKとWho We Areは、高校卒業寸前にシングルマザーの母親に置き去りにされた主人公Bear が弟の天才児the Kid を育てながら親友の兄Otterと3人で家族を築き上げる物語-なのですが、この作品の魅力ははさまれるBearの妄想とか、強烈なキャラとか、天才児のクールなコメントとかにあります。
第3作目のThe Art of Breathingは18歳になったthe Kidが主役。天才だけどOCD/パニック障害に苦しみ大学を休学した彼が初恋の相手Dominiqueと結ばれるまで。(続巻が出るようです。)なによりびっくりしたのは後半でT.J.Kluneの”Tell Me It's Real”の世界とつながること。Bearに勝るとも劣らない妄想癖のPaulやその親友のDrag Queenが出てきて嬉しいけどお話としてはちょっと散漫になってしまったかも?
T.J.Kluneは作家のEric Arvineとのロマンス(公開コンベンションの席でプロポーズした)が有名です。Ericの病魔のために2人が描いていた結婚のプランは繰延になったようですが、看病を含めたつらい経験を小説を書くことに注いだ、とブログに書いていました。このシリーズの病院のシーンや「家族を築くこと」に対する強い思い入れには彼の生き方が反映しているのでしょう。