MM沼

MM(男男)ロマンスにはまり、読んだMMの記録と萌えを語りたくてブログを開設してしまいました。人生、どこに沼があるかわからない。

Baked Fresh by Annabeth Albert

Baked Fresh (Portland Heat)
Baked Fresh (Portland Heat)
著者:Annabeth Albert
出版社:Lyrical Press
発売日:2015-04-14
カテゴリー:Kindle本

 Annabeth AlbertのPortland Heat2作目。Delivered FastのLanceのVicと、彼のボランティア仲間Robinのお話。やはり年の差カップル(Vic35歳、Robin23歳)、Delivered Fastより複雑な事情を抱えた2人の物語です。


 Vicは意志が固いので有名です。金融の仕事をリストラされたのをきっかけに30代で料理学校に入りいまではケーキのデコレーションで店のオーナー(この話の時点ではVicはまだ職人です)やお客に高く評価されるまでに。もともとは熊系大男だったのが、父・伯父そして年齢の近い従兄を心臓発作で失ったことをきっかけに外科手術(Lap Bandというらしい)で50キロ弱減量を果たし今もジムで鍛えています。そんなVicに欠けているのはロマンス。ということで、ずっと片思いしていたRobinと付き合うことを「今年の挑戦」にします。


 RobinはVicの店が売れ残りのパンを寄付しているNPOのボランティアです。Robinは熱心なボランティアで、特に十代の薬物依存の少年に深く思いを寄せています。去年までVicには同年代のボーイフレンドがいたのですが、手ひどい別れを経て今はもう誰とも付き合いたくない、と宣言しています。この嫌なボーイフレンドからRobinをかばうためにVicが彼氏のフリをしたことがきっかけで2人の仲は急接近していきます。自分を踏み台にしてくれていい、と言いそれを行動で示すVicのやさしさにRobinはメロメロに。しかしRobinが目をかけていた少年Zachの死をきっかけにRobinは二人の関係に自信を失い…。


 MMには米国の社会問題が反映されていることが多いように思います。本作の場合は若年ホームレス。特に、LGBTの少年少女が家庭から放り出されて行き場を失い、生活費をかせぐために売春せざるを得なくなったり、つらさを紛らわせるためにアルコールや薬物依存になるケースが多いようです。2人がボランティアしているNPOは炊き出しをするだけでなく、ホームレスのシェルターや依存回復プログラム(NAやAAなど)を運営しています。Robinは裕福な家の出身ですが若くして薬物依存になり、家を飛び出し、3カ月ホームレス生活をしました。その間、人に言えないようなこともした、と後悔するRobinにVicは"turn tricks, eh?"と言います。このturn tricksは「お金や麻薬のために身体を売る」という意味だそうです。前のBGはそのことでRobinを見下しましたが、Vicは「自分も人に言えないことをいろいろやってきたから」とRobinの過去を受け止めます。


 VicとRobinのエロはかなり濃厚です。というのは、Robinの最大の悩みは薬物依存を断ってから「なかなか射精に至らないこと」。自分はいいから…というRobinをあの手この手を駆使して癒していくVicがエロ親父大人です。濃い目のエロがお好きな方、ぜひどうぞー。


 主役CPは好感が持てるし、二人の背景もきちんと描けているのだけれど、RobinとVicの衝突~仲直りのところがいま一つ納得がいかない気がしたのが残念な点かなー。

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